技術フォーラム

<平成21年度 第22回技術フォーラム次第>

会 場 :豊島区立南大塚ホール
開催日 :平成21年10月31日(土)
司会進行:水津 宏、タイムキーパー:田中 嘉一

  • forum0007.jpg

Ⅰ. 挨拶  社長執行役員 山下幹夫(9:30〜9:35)
Ⅱ. 開会の辞  専務執行役員 土井 俊二(9:35〜9:40)
Ⅲ. 技術発表の説明  司会進行   水津 宏 (9:40〜9:45)
Ⅳ. 技術発表  (発表時間10分、質疑応答5分)

 

①昼間交通開放を考慮した床版取替について

技術部構造G 丸山 玄(9:45〜10:00)

東京都の奥多摩に架橋される某道路は、1970年の供用開始から39年が経過しており、平成16年度の定期橋梁点検の結果、床版の損傷が激しく早急な対策が必要であるとの評価が下された。本橋は渓谷部を渡河する橋梁であり、仮橋の設置や迂回路の確保ができず、昼夜通行止めによる施工が困難であることから、昼間交通開放を確保した床版補修工法の検討を行い、高強度軽量プレキャストPC床版による床版取替工法を提案した。本発表では、昼間交通開放を確保した床版補修工法の検討概要と床版取替施工状況について紹介する。

 

②防災施設整備計画の検討

技術部水工G 岩渕 覚(10:00〜10:15)

阪神・淡路大震災では、陸上交通が全く機能しなかった中で、震災直後から震災復興までの段階で、接岸可能な岸壁を利用した舟運による緊急支援活動や復興活動の支援が行われ、大震災時の水上輸送ネットワークの重要性が認識されている。このような背景の中で、国および沿川自治体の防災計画の中でも、災害時における河川を含めた水上輸送ネットワークの防災機能の活用が示されている。本論では、首都圏で行った液状化及び震度予測を参考に具体的に河川の被害想定を行い、都市河川の防災施設を利用した輸送ネットワークについて報告する。

 

③街路設計における各協議事項の位置付け

技術部道路G 田中 幸一郎(10:15〜10:30)

大都市の街路整備における関係機関協議は、関連する機関、企業、地元が多く、種類も多岐にわたるため設計業務の進捗に大きな影響を与えるものである。このため道路設計においては、その路線における協議の種類及び内容等を早急に理解し、迅速に対応する必要がある。本発表は当社にてH15年度から継続して設計を行っている道路設計を題材として関係機関協議の分類を行い、その留意事項を紹介する。

 

④1種ケレンによる水管橋の塗装リニューアルについて

技術部構造G 中村 之信(10:30〜10:45)

富士川に架かる某水管橋は、1970年の竣功以降、数度の塗替え塗装が行われてきた。重ね塗りを繰り返し続ければ、累積塗膜が過大となり、塗膜の割れや剥離が生じやすくなる。この状況の改善策としては、過大となった旧塗膜を1種ケレン(ブラスト工法)により全面除去し、再塗装を施すことが効果的である。また、近年の塗替え塗装では、LCC低減の観点から1種ケレンを用いた重防食塗装系への移行を推奨しているが、現場ブラスト工法による1種ケレンは研削材やケレンダストの飛散対策等において課題がある。本報告では、周辺環境に配慮した1種ケレン施工法の検討概要と塗替え塗装工事の施工状況を紹介する。

 

⑤乾燥地でのCO2固定植林事業の検討

アセットマネジメント部 松本 剛(10:45〜11:00)

現在、地球温暖化が深刻化しており、主因は化石燃料利用により排出されるCO2などの温室効果ガスであり、我が国はCO2排出量を2020年までに1990年水準より25%削減することを目標としている。一方で、沙漠化も進んでおり世界の陸地の約1/3が沙漠化もしくは半砂漠化している。そこで本調査において、乾燥地でのCO2固定植林の検討を行った。具体的に、西オーストラリア・レオノラ地域(年間降雨量200mm程度)において、ユーカリなどの早生樹種を用いて大規模植林の検討を行い、ユーカリの炭素固定速度、生育している土壌の透水性、土壌深度および土壌の栄養塩濃度を定量的に明らかにした。

 

⑥道路建設予定地外の追加買収した用地に設置した調整池の設計

関西支店技術部 山本 良弘(11:00〜11:15)

用地買収済みの道路詳細設計で、道路排水のための調整池を道路用地内に設けた場合の問題点(経済性、構造性、維持管理性)を明確にするとともに、用地の制約が会計検査での理由にならないことを説明することで、より経済的で維持管理の不要な調整池(オープン構造)を道路用地外(用地の追加買収による)に設けることを提案し採用された調整池の詳細設計について報告する。

 

⑦特別講演『技術と安全』

事業本部顧問、統括安全衛生管理者 山田 惇人(11:15〜12:00)

 

昼食(12:00〜12:50)

⑧特別講演『首都直下地震と東海地震、最近の話題と対策』

当社特別技術顧問 東京大学地震研究所特任研究員、富士常葉大学附属環境防災研究所客員研究員 後藤洋三先生(12:50〜14:10)

 

⑨建設管理事業部の概要

執行役員 建設管理技術部長 横田 務(14:10〜14:20)

 

⑩高速道路の維持管理について

建設管理技術部 松本 弘幸(14:20〜14:35)

高速道路における、土木・植栽点検業務の見直しの概要と維持業務の詳細について説明する。さらに、高速道路の施工体制と精算方法について説明する。

 

⑪国道の沿道環境改善事業について

建設管理技術部 伊東 弘行(14:35〜14:50)

NO2の濃度が高く、公害訴訟などがあった大気汚染が深刻な地域であり、さらに慢性的な交通渋滞が問題となっている国道の沿道環境改善事業の1つとして、交差点右折レーンの増設による交通流の円滑化及び新技術を用いた大気浄化施設を設置した。本報告では、これら交差点改良の概要と大気環境改善効果及び沿道環境改善事業の今後の課題について報告するものである。

 

⑫現場技術業務の現状と今後の展望について

建設管理技術部 富沢 秀明(14:50〜15:05)

高速道路株式会社、国土交通省及び自治体における現場技術業務に携わってきたが、本報告ではその経験を踏まえ、発注者毎の現場技術業務における基本事項を整理・比較する。各発注者が何を求めているのかを検討し、今後の施工管理業務の展望及び業務遂行の手段について発表する。

 

 

⑬ 会社からの報告

社長執行役員 山下 幹夫(15:05〜15:25)

 

休憩(15:25〜15:40)

⑭ 橋梁点検用リモートカメラの実演

アセットマネジメント部 内藤 雄介(15:40〜15:45)

 

Ⅴ. 講評  上席執行役員 石橋 悟(15:45〜15:55)
Ⅵ. まとめ・表彰  社長執行役員 山下 幹夫(15:55~16:05)
Ⅶ. 閉会