技術フォーラム

<平成25年度 第26回技術フォーラム次第>

会 場 :豊島区南大塚地域文化創造館:南大塚ホール
開催日 :平成25年10月26日(土)
司会進行:高橋 学、タイムキーパー:菊地 慎

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Ⅰ. 挨拶  社長執行役員 諸谷 茂樹(10:00〜10:05)
Ⅱ. 開会の辞  会長執行役員 山下 幹夫(10:05〜10:10)
Ⅲ. 技術発表の説明  司会進行   高橋 学 (10:10〜10:15)
Ⅳ. 技術発表午前の部「①~⑤」  (発表時間15分、質疑応答5分)

 

①長寿命化を考慮した新設橋の設計~烏江高架橋詳細設計~

第一技術部構造技術課 重松 宏和(10:15〜10:35)

我が国の道路橋は、高度経済成長期を中心にして大量に建設され、架橋後40年~50年が経過することとなり、今後老齢化による損傷及び維持管理費が急速に増加していくことが想定される。そのため、今後建設する道路橋は、設計段階で予防保全対策や維持管理の容易性・確実性を考慮した設計を行い、長期的なコスト縮減を図ることが重要である。本発表では、東海環状自動車道における某橋の橋梁詳細設計を例に「橋梁の長寿命化に向けた取り組み」について紹介する。

 

②天井板撤去に伴う坑口撤去検討

第二技術部保全技術課 澤田 由美(10:35〜10:55)

某トンネルは、長野・岐阜両県を結ぶ約8.5㎞の長大トンネルであり、供用から40年近く経過している。近年では、坑口部の中性化やアルカリ骨材反応等の進行が著しくみられ、補修が困難な状況にあった。そのような状況の中、2012年12月に発生した笹子トンネル天井板崩落事故を受け、当該トンネルにおいても、利用者の不安を払拭する為に天井板撤去を伴うリフレッシュ工事が前倒しで計画された。本報告は、劣化が著しく早急な撤去が望ましいとされた坑口部について、通行止規制を伴うリフレッシュ工事と同時に撤去を行うことが可能であるかどうか、施工検討および撤去計画を行った事例を報告するものである。

 

③木造住宅密集地域における道路整備

第二技術部道路技術課 澤野 靖幸(10:55〜11:15)

木造密集地域は大地震が発生した場合、建物の倒壊や同時多発的な火災により大規模な市街地火災が発生する恐れがある。現在、東京都には、山手線外周部を中心に老朽化した木造住宅密集地域が広範囲に分布しており、首都直下地震の切迫性が叫ばれる中で、火災の延焼遮断帯となる都市計画道路を整備し、老朽化した住宅等の建替を促進するとともに防災性向上と居住環境の整備を総合的に行うことを目的とした取組を行っている。本報告は、木造住宅密集地域における都市計画道路整備の事業化に向けた概略検討について紹介する。

 

④施工中に発生した護岸変位に対する検討

第二技術部水工技術課 岩渕 覚(11:15〜11:35)

鋼矢板護岸による低水路整備本工事の中で、本設鋼矢板圧入の準備工として河床に存在する石材、コンクリートガラ等の掘削・除去作業を行ったところ、既設防災矢板前面の受働抵抗土塊の減少によると思われる防災矢板及び既設護岸の急激な変位(最大沈下量:約10cm)が発生した。本報は、急激な変位発生の要因推定と緊急工事から護岸の耐震補強を目的とした本工事の施工に至るまでの施工方法・施工計画の策定について報告するものである。具体には、矢板前面の埋戻しによる受働抵抗の回復を行い、さらなる護岸の大規模崩壊の危険性を低減するために緊急工事として仮設根固めを構築するもので、本設鋼矢板圧入では、地盤改良を主とする補助工法を採用し、変位を計測しつつ鋼矢板圧入を完了するものとした。

 

⑤施工後20年経過した下部工に対するゴム堰の設計

関西支店技術部 中園 美穂(11:35〜11:55)

平成元年から2年にかけてゴム堰の下部工が施工され、20年が経過した状態でゴム堰上部工の詳細設計を実施した。施工後20年放置されていたことで上部工用配管の健全性が問題となったため、内視鏡による目視調査及び気密調査を実施した結果、フレキシブルジョイント部での気密漏れ及び地下水流入が確認され、フレキシブルジョイントの交換が必要であると判断された。また配管がSGPであったことから本設計ではステンレス製の配管に取替えることを志向するとともに、下部工本体から施工し直すことを提案し採用された事例について紹介する。

 

昼食(11:55〜13:00)

 

Ⅴ 特別講演『地下空間の利活用の現状と今後』

都市地下空間活用研究会 主任研究員 粕谷 太郎 様(13:00〜14:00)

 

Ⅵ. 技術発表午後の部「⑥,⑦,⑧」 (発表時間15分、質疑応答5分)

⑥建設管理部の概要

建設管理部長 横田 務(14:00〜14:10)

 

⑦背面形状が覆工コンクリートのひび割れに及ぼす影響に関する検討

建設管理部南アルプス作業所 丸山 玄(14:10〜14:30)

トンネル覆工コンクリートは基本的に無筋構造物であることから、覆工を貫通するような複数のひび割れが相互に繋がった場合、それらに囲まれる箇所からコンクリート片がはく落する危険性を伴うことになる。覆工コンクリートの背面(吹付コンクリート面)は、鋼製支保工の有無によっても異なるが、掘削地山形状に合わせた仕上りとなり、凹凸の差が数十cmになる場合がある。当工事区で担当している工事では、最大40cmとなる箇所が発見された。このことから、背面の凹凸形状が覆工コンクリートのひび割れに及ぼす影響を明らかにすることを目的として、凹凸形状,温度変化及び防水シートの有無等を変化させ、温度応力解析により比較検討を実施したものを紹介する。

⑧高速道路4車線化に伴う設計の問題点について

建設管理部信越作業所 富沢 秀明(14:30〜14:50)

上信越道は、平成11年に関越自動車道藤岡JCTと北陸自動車道上越JCTを、長野県北信地方を経由して結ぶ高速道路である。暫定2車線から4車線化のための設計上の問題点を抽出し、その対処方法について発表する。

 

休憩(14:50〜15:10)

 

Ⅶ 会社からの報告

 1) 国土交通省中部地方整備局長表彰業務『平成24年度高山国道管内橋梁点検業務について』

    第二技術部副部長 水津 宏 (15:10~15:25)

 2) 技術開発の紹介 (15:25~15:35)

技術開発部課長 小林 昭典、原 勝利

 3) 平成26年4月入社内定者の紹介 (15:35~15:40)

Ⅷ. 講評  上席執行役員 技術統括部長 白鳥 愛介(15:40〜15:50)
Ⅸ. まとめ・技術発表表彰  社長執行役員 諸谷 茂樹(15:50~16:00)
Ⅹ. 閉会