技術フォーラム

<平成30年度 第31回技術フォーラム次第>

会 場 :豊島区南大塚地域文化創造館:南大塚ホール
開催日 :平成30年10月27日(土)
司会進行:岩渕 覚、タイムキーパー:増田 大輔

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Ⅰ. 挨拶  社長執行役員 諸谷 茂樹(10:00〜10:05)
Ⅱ. 開会の辞  専務執行役員 亀山 芳貢(10:05〜10:10)
Ⅲ. 技術発表の説明  司会進行   岩渕 覚(10:10〜10:15)
Ⅳ. 技術発表午前の部「①~⑤」  (発表時間15分、質疑応答5分)

 

① 地方部駅周辺における交通処理施設の検討

第二技術部道路保全課(現 総務部システム課) 石川 一人(10:15〜10:35)

B駅は、通勤・通学・観光・レジャー等で1日約37,000人の乗降客が利用し、A市における交通拠点として重要な役割を持っており、駅前広場としての交通処理施設の再構築を図ることが必要とされている。業務では、当該駅周辺における交通の利用実態調査を実施し、交通状況の問題を整理するとともに、交通処理施設の再構築に当っての課題や留意点を整理し基本方針をまとめた。さらに交通利用状況に適切な交通処理施設の種類と面積を算定するとともに、その設置場所についても検討した。本報告では、交通処理施設の再構築を図ることを目的とした交通処理施設の設置場所について比較検討した事例を紹介する。

 

② 自治体が管理する橋梁の補修設計業務について

第一技術部構造技術課 大沼 将也(10:35〜10:55)

我が国の自治体が管理する橋梁は、全体の約7割を占めており、健全性Ⅳと診断された結果が国土交通省の約8倍、都道府県・政令都市の約7倍にも上る。しかし、14年度に点検を実施した橋のうち、次回点検までに修繕すべきと判定された橋梁で、17年度末までに設計を含めて修繕に着手したのは24%程である。この事から自治体の補修設計業務の着手状況は芳しくなく、今後も自治体発注の業務が増加していくと予想される。そして限られた人員でより多くの業務を行うには効率的に実施して行かなければならないと考える。本報告では、効率的な手段として、3Dスキャナーや画像処理技術を使用した補修設計業務の一例として某橋の補修設計を紹介する。

 

③ 橋梁の維持管理における点検と補修の課題・留意点について

第一技術部保全技術課 本田 凌(10:55〜11:15)

我が国には約70万橋の道路橋が供用されている。その多くが高度経済成長期に建設され、損傷の発生により老朽化が進行しており、維持管理におけるコストの増加が懸念されている。このような背景の中、長寿命化修繕計画が策定され、これを基に補修が実施されている。一方、補修箇所において再劣化する事例が起きている。本稿では、当社で行った補修設計事例と補修実施後の橋梁点検結果および一般的な再劣化事例を紹介するとともに、これらを踏まえた点検と補修を実施する際の課題・留意点について紹介するものである。

 

④ 緊急輸送道路内の既存施設における耐震化対策検討

第二技術部水工技術課 佐藤 素史(11:15〜11:35)

近年、各地で大規模地震が発生し、下水道施設に甚大な被害をもたらしている。液状化等に起因した人孔が道路表面から隆起して二次災害の要因になった。阪神淡路大震災を教訓に耐震基準を強化した平成9年度以前に施工された下水道施設の耐震化が進んでいない。国は重要な下水道施設の耐震化を図る「防災」、被災を想定して被害の最小化を図る「減災」を組み合わせた総合的な地震対策を推進した。
地方自治体の対応は総合地震対策基本計画・実施計画を策定した。本稿は汚水管きょの二次災害を「減災」するため液状化対策を重視し、基本・実施計画に基づき緊急輸送道路内の既存施設(人孔・管口)における耐震化(非開削工法)検討について紹介する。

 

⑤ 供用路線におけるスマートICの課題と対応について

建設管理部水戸作業所 丹野 雄介(11:35〜11:55)

常磐自動車道の某スマートICの平成31年度9月を目途にハーフ運用からフル運用供用開始に向けて建設を進めている(平成30年7月Aランプ切替済)。現計画での誤進入対策は、前方退出路としていたが、既設監視室への干渉、料金所施設の切替に要する通行止回数の増加などに対応するため、環道型退出路(ラウンドアバウト)に変更することとなっている。また、管理方式も現地監視から遠隔監視方式へ移行することとなっており、環道型退出路(ラウンドアバウト)とともに全国初となる予定である。本稿では全国初となるこれらの事例について報告する。

 

昼食(11:55〜13:00)

 

Ⅴ 特別講演『東京湾奥部の高潮・津波災害』

千葉工業大学 創造工学部都市環境工学科教授 矢内栄二先生(13:00〜14:05)

 

Ⅵ. 技術発表午後の部「⑥~⑦」  (発表時間15分、質疑応答5分)

⑥ 命の道の「リニューアル,強靭化,災害復旧」を担う高知作業所の概要

建設管理部高知作業所 荒木 悌二(14:05〜14:25)

高速道路は、災害時の避難路・物資輸送や、救命救急時の搬送路としての役割を担っており「命の道」と呼ばれている。特に地方においては、この「命の道」の重要度が高い。高知県においても他県とつながるネットワークが形成されていないため、現在の高知自動車道が通行できなくなると、まさに住民の命に係わる状況となる。高知作業所では、この「命の道」の「大規模更新工事」「橋梁の耐震補強工事」「7月豪雨災害の応急復旧工事」を担当しており、その状況について報告する。

⑦ ASRを発生したコンクリート構造物の調査・補修計画

関西支店技術部 原 光彦(14:25〜14:45)

コンクリートは安価で優れた構造材料であり、市民のライフラインや社会資本整備に広く使用され重要な役割を担っている。高度経済成長期に大量のコンクリート構造物が建設されたが、それらの多くは高齢化を向かえている。従来、コンクリート構造物はメンテナンスフリーと言われていたが、様々な要因により劣化が見受けられ、原因を特定し適切な維持管理を行うことによって長寿命化・延命化を図ることが重要となってくる。コンクリート構造物の主な損傷原因としては、疲労・塩害・中性化・凍害・アルカリ骨材反応がある。本稿はこれらの原因のうち、アルカリ骨材反応(ASR)により損傷したコンクリート構造物の調査・補修計画について報告するものである。

 

休憩(14:45〜15:00)

 

Ⅶ 会社からの報告

1) 『首都高の改修事業への取組とイタリアの落橋事故について』

技術統括部 技術顧問 上平 謙二(15:00~15:25)

2) 入社社員の紹介および内定式 (15:25~15:50)

 

Ⅷ. 講評  常務執行役員 技術統括部長 白鳥 愛介(15:50〜16:00)
Ⅸ. 技術発表表彰  社長執行役員 諸谷 茂樹(16:00~16:10)
Ⅹ. 閉会