サンマリンブリッジ

サンマリンブリッジは、浜名湖競艇企業団からプロポーザル提案にて受注した業務である。
橋梁形式は2径間連続非対称複合斜張橋形式で主径間下の水路に橋脚を設けず、漕艇等の利用に支障を与えない形式となっている。
また長径間は鋼桁、短径間側がPC桁、曲線を用いた主塔もPRC構造とする等、時代の先端の技術を多用した。
近くに航空自衛隊の浜松基地が有り、航空管制面での主塔高さの制約から吊り点を前方に出す、傾斜主塔構造と最上段ケーブルの傾斜に配慮した。

サンマリンブリッジは、競艇開催日に集中する車両による交通渋滞緩和と近隣地域の交通安全を目的として計画されたゲートウェイで浜名湖から流れ出る大正川に架けられる橋梁です。浜名湖競艇場へのゲートと浜名湖のシンボルとなる景観・形式が求められ、デザインコンペに付せられ、当社案が選定された橋梁です。
小型船舶の航路の確保、水辺に生息する生物への影響を避けるため、河川部(約170m)に影響のない径間長と既設道路への摺り付け勾配等の制約条件から渡河部の径間長を200mとしたPC複合斜張橋を選定しました。
景観を重視すると共に、経済性及び構造の合理性を追求した橋梁で、浜名湖に浮かぶヨットのセールをイメージしたデザインコンセプトの中で主塔形状を独特な曲線で構成し、アーチ効果によって主塔の曲げ耐力を期待すると共に景観との調和を図っています。

渡河部の長径間部は、主桁を鋼床版箱桁、競艇場側の短径間部の主桁は、荷重のアンバランス解消と経済性からPC箱桁構造としており、我が国で2番目のPC複合斜張橋です。大きな荷重を受ける主塔部の橋脚は、多室構造のニューマチックケーソンを採用しています。
浜名湖を横断する、主塔から延びたケーブルにより支えられた白い姿は、新幹線の車窓から眺めると印象に残ることと思います。
浜名湖競艇企業団は静岡県新居町(A)、舞阪町(M)及び雄踏町(Y)の3町で共同運営されていることから、橋梁デザインにはそれぞれのアルファベットが隠されています。

設計箇所