巴流大橋

巴流大橋の架橋地点は巴川、塩田川、四方沢川の3河川がある親水公園の連絡歩道橋である。
歩道部は公園に向かうゲートとして遊ぶ人を迎えるようなイメージでコンセプトを作り、逆Y型の主塔の足が河川を跨ぎ、円弧の外側を吊る1面吊り構造を採用した。
このため主塔も円弧外側に傾斜し、自重の倒れる成分と斜材の張力とをバランスさせるような構造を採用しているのが特色である。
また、ライトアップ施設で夏季の夜間等は近隣住民も楽しめるような配慮も行った。

巴流大橋は、巴川、薬師沢川及び塩田川の3河川が合流する地点にあり、能島親水公園と高部水辺公園を結んでいる歩道橋で、世界でも珍しい主塔を傾けた斜張橋です。夜のライトアップ効果に加えて,斬新なデザインが地域のランドマークとなっています。この橋の名は、「巴川が流れる」を掛合し、地元のサッカーチーム・清水エスパルスのチーム名をモチーフに名づけられました。
構造形式決定にあたっては、周辺環境との調和を図り、水辺空間の確保とランドマークとしての存在感をコンセプトに、島親水公園と高部水辺公園の連結を図る架橋ルートと最適構造形式を選定しました。ルートは最短で、巴川・薬師沢川及び塩田川の3河川を跨ぐ、平面曲線半径R=75mとし、橋長96.7m(=39.0m+18.7m+39.0m)としました。

構造形式は、平面曲線によるアンバランスを合理的に解消するため、曲線桁を主塔から片面のケーブルによって吊ることとし、主桁を吊る主塔を傾斜させると共に歩道路面外に設けた3径間連続PC斜張橋(片側1面吊り、主塔傾斜角θ=14°)としました。最も合理的な主塔形状及び傾き、斜材吊り点位置等についての構造的な検討と共に、景観性についても多面的に考慮し、要求される機能を十分果した地域周辺のシンボリックブリッジです。

所在地:静岡県静岡市清水能島
施工主:静岡県静岡土木事務所河川改良課/静岡市建設部清水建設事務所河川課
設計者:開発コンサルタント株式会社

設計箇所